ネット選挙を実現させよう

西村 今月の「けんちゃんのどこでもブログ」ですが、年度始めでもあり、また今年は「選挙の年」でもあります。そういうことで普段あまり関心のない「政治の問題」をコメントしようと思っています。

 高知シティFMの戸田健史さんにもコメントをいただきます。それで今回のテーマは「ネット選挙を実現させよう」でお話をしてみようと思います。

 韓国などでは本番の選挙でもインターネットを候補者、政党、有権者が使いどんどん政策論争をしています。日本はまだそこまで言っていません。その点についてどのように思われますか?

戸田 そうですね。韓国の実情ですが、韓国では、国民1人1人に住民登録番号が割り振られています。日本でも住民基本台帳がそうですね。あのシステムが前から稼動していてインターネット選挙などが行われていました。ブロードバンド大国ですし。

 韓国の一般の電子掲示板でも住民登録番号を申請してから書き込みが可能な大手会社が多いようです。政治とインターネットの連動は早かったようですね。
 インターネットでの書き込みがありますが、それは本当に本人なのか?なりすましなのか。まだまだ日本では成熟していないようですね。インターネットと選挙が結びつくところまでは行き着いてはいませんね。
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(従来型の動員型選挙が幅をきかせています。)
西村 韓国もさることながらネット先進国アメリカですね。アメリカでも有名な話になりましたが、昨年の中間選挙で、共和党の有力上院議員が支持者の集会で人種差別的な発言をしました。
 その様子が市民によって携帯電話で撮影され、すぐさまyuo tubeで個人のブログに貼り付けられ人気サイトになったそうです。1日5万アクセスになったとか。
 やがて地元テレビ局や新聞にも報道される騒ぎになり、有力候補者は選挙では落選しました。
 これなんかもネット選挙のパワーですね。

戸田 そうですね。少し前であれば新聞や週刊誌の働きでしたのに、ブログが実際に機能した実例ですね。この候補者おかしいことを言っている。事実なんだからこれをインターネットに流そう。これが個人で出来るようになったということですね。
 より候補者の情報が多方面から発信できるので画期的なことですね。

西村 ブログをマスメデッィアが後追いしているということですね。

戸田 個人レベルの情報発信から、マスメディアが追いかける。新たなパターンですね。

西村 日本では「インターネット選挙」改革のスピードが遅いようです。未だに公示後のホームページの更新が出来ません。市民は候補者の様子を、選挙カーや集会にいかないと知ることが出来ません。遅れていますね。
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(選挙を取材するマスメデイァ。かなりデジタル化が進んでいます。)
戸田 チラシもありますが、あまり若い人は詠みません。若い人はパソコンに向かっている時間が長いので、携帯電話の画面をながめていますので。ところが、パソコンの画面や携帯の画面からは選挙の候補者の情報は流れてはなかなか来ません。今のところは法律がネックになっているからですね。
 そのあたりも若い人の政治への無関心を招いていますね。

西村 企業と企業の「お見合い」ということで、「マッチング」という言葉があります。どうも有権者と政治家との「マッチング」がうまく行っていないようですね。とくに若い人たちと政治家とのマッチングですね。

 そういうことかと言いますと、ブログや携帯サイトのホームページなどを作成している政治家もいます。30代の若い政治家が多いですね。ところがその「内容がない」人が多いです。
 政策が偏っているのか、1人よがりなのかどうかわかりませんが、面白くないページが多いですね。それを見て若い人は共感する人もいるでしょうが、私などは見ていてがっかりですね。
 政策的に面白いことを言われているのは年配の政治家でしょう。年配者の政治家はネット社会に入っていませんし。それで見ることができません。そのあたりの「ミスマッチ」をなんとかしなければなりません。

戸田 より詳しく政策のことをベテランの議員の人の発言を知りたくても、それはインターネット上では掲載されていません。
 だったらお話のようにうまく「マッチング」すれば、若い人たちに政治家の政策をうまく伝達できると思いますけれども。
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(ブログの作成は場所を選びません)
西村 総務省も「公職選挙法」の改正の意向はあるようです。(インターネット選挙への)。
 最近では与野党ともネット選挙を推進することには異存はないようですが・・。政党のページは動画もあり、退屈しないホームページになっています。
 ただ国会議員の年齢層が高いのか、改革にはまだ時間がかかりそうです。

戸田 まず議員の人達がホームページを見ているのでしょうか?議員は多忙でして、議院運営委員会とか、打ち合わせなどが忙しくなかなかパソコンの画面に迎えないこともありますね。時間がないことを皆言われていました。

 であるならば国会議員には公設秘書で政策秘書もいるはずですから、議員の活動をネットで公開することは大事であると思いますね。
 議員はいろんな委員会や審議会に出ています。一般市民が到底知りえない情報もたくさん入手しています。かまわない範囲でブログなどでご披露していただきたいと思いますね。「〇〇議員の議会日誌」でも良いとは思います。

 それを書いてブログにすることは政策を練り上げる場合でも必要なことであると思います。

戸田 議員は多忙ですので、ホームページやブログを見たり、作成する時間はない。だからといって、インターネットを軽視しますと情報発信が後手後手になります。
 以前もありましたが携帯電話の迷惑メールに関する法律を思い出します。国会議員へ迷惑メールが大量に送りつけられて初めて迷惑メールを規制する法律が出来ましたし。それくらい議員にインターネットが身近なものであれば、そういう具合になるでしょう。

西村 議会でのやりとりでも、未だにボードをテレビ画面イ見せて説明している状態。せめてパワーポイントなどを活用してほしい。面白くしてほしいですね。
 今の状態では日本は情報化社会ではないことを国会で表現しているのはなさけないと思いますね。


戸田 国会中継を見ましてもパソコンを見ている議員はいませんね。

西村 いませんね。高知県議会でも高知市議会でも見たことはないですね。紙媒体、街頭宣伝、集会などは今でも有力な伝達方法です。
 ネット社会だといいましてもリアルな有権者との触れ合いは大事なことです。それと同時にネットを活用すれば良いとは思いますが・・・。
 お金のかからない選挙を目指すのであれば、ネット選挙をやるべきですね。
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戸田 印刷物をたくさんこしらえましても、該当の有権者に届かなければ無駄になりますね。自分の政策を伝える手段としてインターネットもあるんだよと認識頂きたいですね。


西村 紙媒体や集会や街宣も大事です。その手段だけで伝達できない情報=政策も大事です。政策を市民に伝達させないのが今の日本の選挙制度なのです。
 お金のかからない選挙をめざすのであれば、「ネット選挙」は全面的に解禁されるべきでしょう。