階級社会は貧困と無知を土台になりたつ

ruiikumi2006-05-16

 映画「華氏911」のなかでムーア監督が言っていましたね。
「階級社会は貧困と無知を土台になりたつ」と。階級社会を「格差社会」と言いなおしても良いですね。今の日本の社会はまさにそうなちつつあります。

 「教育基本法の改正」は、世界に誇る日本の義務教育制度の破壊です。政府に強い影響力を持つ経団連奥田会長は「学校に来たくない授業を妨害する生徒は来なくていいし、投資するのは無駄。エリートを養成しないと日本は国際競争に負ける」持論を言っています。その財界の意向もあり今回の教育基本法の改正(というより改悪)があるのでしょう。

 家庭教師をつける豊かな家庭も、帰宅時に親がいない貧困家庭も同じ教室で学ぶことで、私は「社会の仕組み」を肌で学びました。当時の先生は熱心で、わかるまで教えていただいた。子供同士で教えあったこともあったし。

 所得格差で学校をわけることは、今日のテーマのように「貧困と無知」を社会的に作り出していくことです。所得の差のある階層の交流がなければ階級社会になり、差別と偏見は新たな社会不安を生み出します。

 「お前が中学時代にわめいていた理由がようやくわかったよ。」というのは中学時代家が貧困でぐれていた同級生。かれはある宗教団体の幹部に今はなり、大勢の前でスピーチなどをすることに慣れてきたからでしょう。

 中学時代に私が生徒会や、ガリ版刷りの手作り新聞を配っていたことを覚えていてくれたのですね。当時は彼は喧嘩ばやい生徒でした。宗教との出合が暴力団へ行かなくてすんだとのことでした。公立学校特有の大衆社会で学んだことは大きい経験でした。

 ですので格差社会を拡大する教育改革には私は反対です。ホリエモンは「お金で人の心も買える」と言い切っていましたが、断じてそうではないと思います。