映画「六ヶ所村ラブソディ」のリアリズム
2月27日に高知県立美術館ホールにて、ドキュメンタリー映画「六ヶ所村ラブソディ」を鑑賞しました。この日は3回の上映で300人を超える市民が鑑賞したようです。ブログにもコメントしました。
映画の場面は六ヶ所村から、イギリスの核燃料再処理施設のある町へ。そこは昔は海水浴場で有名でしたが、放射能汚染が現れてから誰も海岸に来なくなったそうです。
東洋町に「高レベル放射性廃棄物最終処分場」ができると、海岸でサーフィンをする人もいなくなるでしょう。
室戸沖の海洋深層水ブランドも完全に駄目になりますね。水産加工品も、農産物もすべて売れなくなります。
目先の経済効果よりも、計算できない「風評被害」の恐ろしさや、ブランドイメージの失墜もまた大きいと思います。
四国88箇所を「世界遺産に」という試みや、美しい海岸線。人々の人情を破壊する核のゴミ施設は東洋町へ絶対に来てもらいたくないですね。
鎌中ひとみ監督は映像に反対派の人達だけを登場させてはいません。推進派の人たちも何人も登場しています。雇用を生み出したとか、危険性はあるが安全に気をつけているとか本音を聞き出されています。
ただ残念なのは日本原燃が取材に応じた形跡がないのです。映像は常に六ヶ所村核燃料再生工場前のゲート前で終わっているからですね。
国民に対して安全性を強調するのならなぜ工場の内部も公開しないのでしょうか?おかしい限りです。
そういう意味では単なる「反原発映画」ではありません。事実が淡々と描かれているからよけいに恐ろしさを感じます。
東洋町に高レベル放射性廃棄物最終処分場に反対する人も賛成する人もまずは「六ヶ所村ラブソディ」を鑑賞すべきでしょう。秀作です。
鎌中ひとみさんの話をじっくり聞くべきでしょう。
ふつうの人の感覚で、ふつうに話します。元々はNHKのドキュメンタリー番組の取材でイラクへ行かれていたとか。
そこで湾岸戦争から数年経過しているのイに白血病や癌で死ぬ子供たちが多いのは何故か?それは米軍が使用した「劣化ウラン弾」であることでした。
高レベル放射性廃棄物が武器として使用され、戦争が終結した後もイラクの人を苦しめている現実に気がついたとのことです。
六ヶ所村の取材も長い年月をかけてしています。取材力の確かさを感じました。ぜひ4月1日の「鎌中ひとみさん講演会」は東洋町周辺の皆さんは聞きに行かれてください。