報道しない不作為

ruiikumi2007-07-12

 「ドイツの原発で事故があったらしい。何故か日本では報道されていない。」との連絡が佐賀県で反原発運動に取り組まれている市民団体の人から連絡がありました。
 驚いて調べて見ますと個人のサイトはすぐ見つかりましたが、マスコミ関係の関係記事をインターネットでは見つけることはできませんでした。

 ようやく6月30日の高知新聞朝刊で小さな記事を見つけることができました。インターネットの新聞版は大きな記事は掲載していますが、小さなベタ記事は掲載されません。

 ドイツの原子力発電所の記事は変電設備の火事であり、原子炉には幸い影響がなかったようです。何よりでした。

 しかしなぜ日本の報道機関はもっと報道しなかったのでしょうか?
 ハインリッヒの法則があります。その法則とは労働災害における経験則の一つで「1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する」というものでした。

 ドイツの場合は「29の軽微な事故の1」つなのでしょうか。最近明るみに出てきた日本各地の原子力発電所のデータの改ざん、捏造の事実はこの法則からすれば、事故の危険を覆い隠すことであり、重大事故に至る前に危険な兆候を発見し手をうつことをしないという重大な「不作為」でありました。

 取り上げられた個人のブログにはドイツの新聞のサイトのリンクがあり、全くドイツ語がわかりませんが、5枚以上の事故のあった原子力発電所の現場写真がそのサイトには掲載されていました。

 たとえ重大な事故ではないにしても日本のマスコミはそれを掲載し、国民に知らせるべきです。そしてすぐに原子力関係者に取材し、コメントを求めるべきです。

 報道しない不作為を感じました。