若者は政治に関心がないのか?

西村 今月の「けんちゃんのどこでもブログ」のゲストは、四万十市から来て頂きましたブロガーの土佐高知さんです。「土佐高知の雑記帳」というブログを3年ほど前から作成されておられます。私はそのブログを毎日拝見しています。今回のテーマは「若者は政治に関心がないのか」ということでお話を伺います。

「土佐高知の雑記帳」は社会ネタや政治ネタが多いと思います。それでも「読者」には結構若い人が多いのではないでしょうか?読者の年齢層などはいかがでしょうか?

O1_r
土佐 年齢層につきましては想定しかねます。知り合いの中で「見てるよ」と声をかえられた若い人もいました。特に若い世代を意識して書いているということはありません。自分自身が「若い」と思っているからでしょう。

 若者の一員であるという自覚で動いているので特に、若者を意識はしません。出来るだけいろんな角度から、政治的な問題でも切り込んで行きたいし、それから自分が今まで経験したことで感じたことなどもブログに書いているつもりです。

 私の場合は70年安保から政治に関心がありましたので、その時代からの流れをブログの中でも書いていると思います。

西村 国政選挙、地方選挙などのたびに、20歳代、30歳代の若者の投票率の低さがいつも問題になります。その理由はどういうところにあると土佐高知さんは考えられるのでしょうか?

(参考)低い関心でいいのか県知事選挙
Kizitumae02_r
(異常に投票率や関心の低い高知県知事選挙)
土佐 実はわたしも2人の有権者の子供がいます。2人はたぶん選挙に行ってねえんじゃないかと思います。このあいだお姉ちゃんと議論をしました。税金の問題とかに関心を持っています。弟のほうは全くそういう関心がないようです。

 なぜ彼らが選挙へ行かないのかと話をしました。「行ったところで変わらないだろう。」と言いました。それでいろいろ話をしました。まあわかったかどうかよくわかりません。
 だけどうちの子供たちはそうですけれども、全体的に関心がないかといえばそうでもないのではないかとも思います。

 特に高知新聞の「声・ひろば」欄(読者投稿欄)を見ると黒潮町大方の高校生が、時事問題で投稿していました。若い人の中で社会問題・政治問題に関心を持っている人の割合は、僕たちが若い頃とほぼ同じ割合ではないかとも思います。

 ということを潜在的に感じています。

西村 若者達の「政治離れを」を食い止める方法手段はあるのでしょうか?政治に若者達が具体的に関与すれが必ず歴史は変わるとは思います。幡多のほうの若者達の意識や投票行動、政治参加はどうなのでしょうか?

土佐 これは我々大人世代の責任が大きいと思いますね。もちろん若い世代自らが政治自らに関心を持っていて欲しいと思います。けれども大人のほうがもうすこし「政治と自分達の暮らし」のはどうなのかをきちんと教えるということが必要です。
 でもなかなか僕らでもそのへんが十分に出来ていません。ではどうするか。我々大人がこういうブログなどを通じて「政治と暮らしのかかわり」はどうなのか、会話の中でそういう話をする。若い世代に伝える努力をすることが大人世代側からは必要であると思います。
 
 若い人たちは政治との関わりを自分達で考えていってほしい。実際に税金の問題にしろ、保険の問題にしろ、皆に関わることなので、考えて欲しいなと思います。

西村 今なにかと携帯電話のサイトが話題になっています。携帯電話での政治活動や市民運動などは活発にされているいのでしょうか?そのあたりはいかがでしょうか?

土佐 これは使い方の問題でしょう。最近の高知新聞でもイーデス・ハンソンさんが書かれていました。新しい道具は使い方の問題であると。新しい道具に「使われたら」だめだと思います。
 そういう面ではわたしもパソコンでのネットの世界だけでなく、携帯電話でも活用しようと思っています。携帯サイトはこれから取り組みます。

 携帯電話のメールでイベントのお知らせは今でもしています。これからもどんどん有効に使う予定です。
Irakuheiwa1
(イラク戦争反対を訴える高知の若者達)
西村 最近はワーキング・プアだとかニートだとかは、その対象は若者が多いように聞いています。自分たちの世代の要求をなぜ政治活動でしようとしないのでしょうか?社会的訓練がたりないからなのでしょうか?

土佐 私たちが若者の時代はベトナム戦争がありました。今はイラク戦争ですね。私たち蛾ベトナム戦争に関心を持ったのは沖縄からベトナムへ兵士や弾薬が運ばれていたからです。東京の王子には野戦病院がつくられていました。
 緊迫した時代でした。学生は学問が本分と言われつつも、こうした実態になにもしないというのは結局手を貸していることではないのか。かなりあの頃の若者達は緊迫感をもって立ち上がりました。

 それからもう1つ。わたしたち(70年安保世代)より昔の世代は60年安保世代です。その時代も戦争が終わってすぐの時期(戦後15年目)だったので、戦争の気配をするものには激しい反対運動が起こったことも記憶しています。

 今イラク戦争があり、ニートであるとかワーキング・プアだとか働くことが、軽視され、人間として軽視されている時代です。わたしは今の若い世代と変わっていないと思っています。

 特に今の若い世代がまだ運動に立ち上がっていないと言うのは、問題としあると思います。私たちが運動をしていたころは群れていたのかな。群れが近くにあったからであると思います。
 今の若い世代はそういうことではなく、群れではなく1人1人が自立していこうという流れであると思います。

 だからこういう人達が社会の矛盾や問題点に目覚めることがあれば、わたしたちの時代以上に社会運動は盛り上がると思いますね。そういうものをイラク戦争に反対する運動が4年前にありました。エイズの問題もありました。そういう潜在力は今の若い人たちは持っています。

 そういう若い人たちに私たちが、経験をどう伝えていくか。戦い方を学んでいく場合に、私たちがヒントを与えるとか。そういう力になりますと思います。
Wp1m

西村 そうですね。川田龍平さんが若い人達の支援もあって参議院議員になりましたし。
 フランスの若者達は街頭へ繰出し、政府と対決し、就労に関する法案を撤回させました。こうした活動は最近の日本では不可能でしょうか?

土佐 今の若い人達と先日話をしました。パーツ、パーツで大変です。結婚をしようにも、毎月の収入が10万円以下の収入しかない。そういう話も聞かされました。日本の労働条件は悪化させられています。

 けれども欧州では労働者の権利を守るという制度があります。やはり歴史的な違いがあります。しかし日本でも戦後労働基準法の問題などが、遅れているといわれています。でも権利は保障されているわけです。

 そういう流れをつくることは可能ですし、今の若い人達が権利を自覚して立ち上がれば世の中変えることができます。いろんな例があります。そこを理解していただきたい。

 欧州の人たちは言います。「権利は戦い取るものである」と。日本も同じです。そういう立場に若者達は是非自覚し立って欲しいと思います。


西村 幡多の地元の中学生、高校生は政治には関心があるのでしょうか?

土佐 どうなんでしょうか。地元新聞に社会問題で投稿される高校生もいますし。
 また幡多では「幡多高校生ゼミナール」と言いまして、高校生たちが、日本の植民地支配の朝鮮との関係の問題の研究であるとか、連行され強制労働で亡くなった朝鮮の人達の遺骨の発掘もしています。

 関心はたかまっているのではないでしょうか。
Irakuheiwam